動画や教材のナレーションをAIで作りたい。でも、声が自然かどうかだけでは、仕事に使えるかは決められません。読み間違いを直す時間、費用、納品に使える条件まで確かめたいところです。
最初から長い動画を作る必要はありません。まずは短い原稿を1本用意して、最後まで仕上げられるかを試します。この記事では、そのときに見る項目をまとめます。特定のサービスを使い比べた結果ではなく、試す前に用意しておく確認手順です。
1.実際の用途に近い原稿を用意する
原稿は、1〜2分程度の動画の導入や、操作説明など。試用時点では、顧客の機密情報や個人情報を含まない文章を使います。
「こんにちは」だけでは分からないので、本番で使いそうな数字、単位、英単語を入れます。たとえば「容量は500GBです」「予約はWebサイトから受け付けています」といった文章です。
比較するサービスが複数あっても、原稿はそろえます。文章まで変えると、声と原稿のどちらが聞きやすさに影響したのか分かりにくくなるためです。
2.きれいな声より、聞き取れるかを見る
生成した音声は、原稿を見ずに一度聞きます。次に、原稿と照らして確認します。
- 名前や専門用語を正しく読んでいるか
- 数字と単位が聞き取れるか
- 文の途中で不自然に切れていないか
- 説明を理解できる速さになっているか
動画に使うなら、映像と合わせても確認します。音声だけでは自然でも、操作画面の切り替わりと説明が合わなければ調整が必要です。
3.修正の手間も記録する
読み方を変えたり、句読点を調整したりして、同じ箇所を作り直します。そのときは「直した箇所」「生成した回数」「仕上がるまでの時間」を残します。
一度でよい声が出たかだけでなく、直したい部分を直せるかが大切です。1本を仕上げるのに何度も作り直すなら、その分の時間や利用量も費用に含めて考えます。
自分で録音する方法と比べたい場合は、同じ原稿で比較用の音声を用意すると判断しやすくなります。
4.納品の条件は、音声を作る前に確認する
試せることと、仕事に使えることは別です。
たとえばElevenLabsの公式ヘルプでは、無料プランに商用ライセンスは含まれません。有料プランでも、ベータ機能の除外や権利・利用規約などの条件があります。また、無料期間に作った音声が、後から有料プランに入るだけで商用利用可能になるわけではありません。
無料プランや未ログイン状態で生成したナレーションを非商用で公開する場合も、タイトルに「elevenlabs.io」または「11.ai」を入れる必要があります。
使いたい機能と用途が条件に合うかを確認してから、納品用の音声を作ります。他人の声を使う場合は、その人の許可も必要です。顧客から預かった原稿を外部サービスに入れてよいかも、先に確認します。
5.料金は初回の安さだけで決めない
申込み前に見るのは、初回の支払額、更新後の料金、利用量の上限、追加料金の有無、解約方法です。割引が表示されていても、条件が読めなければいったん止めます。
試用後には、「この用途なら使える」「読み方の修正が多くて向かない」「条件の確認が必要」のように、判断と理由を一緒に残します。
AIナレーションを試す目的は、声を一度出すことではありません。自分の原稿を、必要な品質と条件で仕上げられるか。それを短い1本で確かめると、次に使うかどうかを決めやすくなります。
参考:ElevenLabs公式ヘルプ「生成したコンテンツを公開できるか」
https://help.elevenlabs.io/hc/en-us/articles/13313564601361-Can-I-publish-the-content-I-generate-on-the-platform