採用活動にYouTubeを使うなら、私は1本の採用動画を作って終わりにするより、働く人を撮り続けるチャンネルにする方が向いていると考えています。毎月撮り足していくと、人と仕事が並んで見えてきます。
私は2026年4月12日に、九州の会社に密着して社長と働く人を紹介するチャンネル「九州しごと図鑑」を開設しました。共同で運営しているチャンネルで、当社の受け持ちは立ち上げと社長密着の撮影です。また、採用支援の会社である株式会社Re.make様のYouTubeでは、長尺とショートの編集、サムネイル、タイトル・概要欄・公開の設定を、継続して当社が担当しています。2つとも、制作実績のページに掲載中です。
この記事では、その2つの現場で見てきたことをもとに、採用活動でYouTubeを続けて出すときの考え方を書きます。
採用動画は1本で終わりにしない
採用向けの動画を1本作る場合は、会社の紹介、仕事の説明、社員の声を、数分の中に詰めることになります。入社を考えている人に、全体を一度に見せられるのが良いところです。
ただ、1本の動画は、作った時点の会社の姿で止まります。出てくる社員も、話す内容も、1回分です。見る側は、ほかの社員がどんな人かまでは分かりません。
YouTubeでは、動画がチャンネルという単位でまとまって見られるのが特徴です。登録して、次の動画を待ってもらうこともできます。働く人を1人ずつ、1本ずつ出していけば、動画の数がそのまま「ここにはこういう人が働いている」という一覧になります。
1本の採用動画を作りたい場合は、福岡の動画制作のページをご覧ください。撮影からの1本の制作(1本120,000円〜・2026年9月時点・福岡市内の目安)と、既存の素材から採用向けの短い動画に作り直す内容を載せています。この記事は、その先の「続けて出す」場合の話です。
採用チャンネルは、働く人の時間を集める
「採用チャンネル」と聞くと、求人の告知や会社説明を並べるものを想像しがちです。私が実際に関わっているチャンネルは、そうではありません。
九州しごと図鑑は、密着型のドキュメンタリーとして始めたチャンネルです。派手な成功談は追わず、朝の仕込みや工場の音のような、名前の付かない時間を集めていくのが方針です。社長と働く人が、どんな順番でどんな作業をしているかを、その順番のまま見せたいと考えています。
なお、九州しごと図鑑は採用専用のチャンネルではありません。仕事と働く人を記録するメディアとして始めたもので、制作実績の分類は「採用・地域」です。それでも、働く人の時間を集めたチャンネルは、その会社で働くとはどういうことかを知りたい人の見る場所になりえます。採用活動に使うなら、このような形を、自社の採用の目的に寄せて作ることになります。
撮り続けるために、台本を用意しない
続けて出すとき、いちばん重くなるのは撮影です。毎回台本を作ると、準備に時間がかかり、現場の人の負担も増えます。
当社の撮影の方針は、お店や職場に伺い、働く方の言葉を引き出すことです。台本は用意しません。働く方が普段使っている言葉がそのまま動画に残るので、見る人にも普段の職場が伝わります。
採用の目的では、話し方の上手さは問題になりません。何を大事にして仕事をしているか、どんな時に手応えを感じるかが、その人の言葉で出ていれば足ります。
1回の撮影から、長尺とショートを作る
1回の撮影で、長尺とショートを同時に作れます。長尺で話した内容から、短く切り出す形です。
長尺は、じっくり知りたい人向けです。ショートは、まだ会社を知らない人が最初に出会う入口になります。同じ撮影から両方を作れば、現場に伺う回数を増やさずに、動画の本数を増やせます。
Re.make様のチャンネルでも、長尺とショートの編集は両方とも当社の担当です。
企業の採用活動のYouTubeは、1か月の流れで回す
続けるには、1か月の流れを先に決めておくのが現実的です。当社の運用は、次の順番で一巡します。
- 企画会議: 今月撮る題材と、公開する順番を決める
- 撮影: 決めた題材を、現場に伺って撮る
- 編集・ご確認: 編集した動画を見ていただき、直しを入れる
- 公開予約: 公開の日時を決めて予約する
- 月次の振り返り: その月の動画を見直し、次の月の企画につなげる
採用の場合、企画会議で最初に決めるのは、誰に何を伝えたいかです。たとえば「現場の若手に来てほしい」なら、若手が出る動画を先に出します。「この仕事の大変さも含めて知ってほしい」なら、大変な場面を隠さず撮ります。月ごとに題材が決まっていれば、撮る人も撮られる人も、次に何をするかで迷いません。
社内で回すか、外に出すか
撮影の日程調整、編集、サムネイル、公開の設定まで、社内で全部回せる会社もあります。毎月の編集の時間を確保できる人がいるかどうかが、分かれ目です。採用担当の方が通常の業務の合間にやる場合、毎月続けるのが難しくなります。
外に出す場合も、誰に何を伝えたいかを決めるのは会社の側です。当社にお任せいただくときも、企画会議の最初にそこを伺い、月単位の企画表に題材と順番を落とします。すでに撮りためた素材がある場合は、新しく撮らなくてもかまいません。その素材を採用向けの短い動画に作り直すところから始められます。
働く人を撮って積み上げていくのは、1本の採用動画より時間のかかるやり方です。そのかわり、動画が増えるたびに、会社で働く人の顔ぶれが見えるようになります。まず1人、働く姿を撮るところから始めてみてください。