AIで議事録を作るとき、決まっていない担当者や期限まで埋まっていたら、そのまま共有するのは不安です。
文字起こしを渡す前に、議事録の見出しと「分からないときの書き方」を決めておくと、確認する場所をそろえられます。今回は、面談や打ち合わせの記録から、決定事項と次の作業を整理する手順を紹介します。
1.入力してよい資料を用意する
まず、録音することと、録音・文字起こしを外部のAIサービスへ渡すことについて、相手との取り決めを確認します。氏名や連絡先、未公開情報は、作業に必要な範囲に絞ります。
練習なら、実際の面談記録を使わず、短い架空の会話からでも始められます。この記事の文例も説明用に作ったもので、実際の顧客との会話やAIの出力結果ではありません。
文字起こしに聞き取りにくい箇所があれば、「聞き取り不明」と残します。名前や数字、否定の言葉など、判断に関わる部分は録音でも確かめます。
2.見出しと、各欄に入れる情報を決める
最初は、次の3項目で整理してみます。
- 決まったこと
- 次の作業(内容/担当者/期限)
- 確認が必要なこと
Claudeの公式ドキュメントでは、出力形式を具体的に指定する方法が案内されています。この3項目は、それを議事録に使うための一例です。公式が決めた議事録の様式ではありません。
次の作業には、「やると合意したこと」だけを入れます。「やってみてもよさそうですね」という提案や、「できるか調べます」という返答を、そのまま実施決定に変えないようにします。
3.「不明」の意味を分けておく
資料に担当者が書かれていないとき、誰かに割り当ててもらう必要はありません。
依頼には、次の条件を足します。
「提供した文字起こしだけを使ってください。担当者や期限が確認できなければ『記録から確認できず』と書いてください。聞き取れない箇所は『聞き取り不明』とし、推測で埋めないでください」
「記録に見つからない」と「会話で話していない」は、同じとは限りません。文字起こしから抜けた可能性もあるので、実際に話したかどうかまでAIに言い切らせない書き方にします。
Claudeの公式資料にも、不確かな場合は分からないと答えるよう許可し、渡した資料の情報に限定する方法が載っています。ただし、こうした指定をしても、内容の正しさは別途確認が必要です。
4.決定と提案を、短い例で分ける
たとえば、次の架空の会話を考えます。
A「次回は図を使うと分かりやすそうですね」
B「用意できるか、いったん確認します」
ここから「Bが次回までに図を作る」と書くと、確認する話が制作の約束へ変わってしまいます。
この例なら、次の作業は「図を用意できるか確認する」、担当者はB、期限は「記録から確認できず」。図を使うこと自体は、提案として確認が必要な欄に残せます。
迷う箇所は、根拠となる発言と一緒に残してもらいます。時刻が元の資料にある場合だけ添え、存在しない時刻は作らせません。
5.共有前に、作業の行から確かめる
出来上がった議事録は、次の順で読みます。
1.次の作業は、本当に引き受けた内容か
2.担当者と期限は、元の発言にあるか
3.提案や検討中の話が、決定事項に入っていないか
4.不明な欄は、録音や相手への確認で確かめられるか
「不明」を減らすためだけに、後から都合のよい期限を入れないようにします。確認後に決まったことは、元の面談で決まっていたように書かず、いつ確認したかを添えて追記すると経緯が分かります。
そのまま使える依頼文
次の文字起こしを、決まったこと、次の作業(内容/担当者/期限)、確認が必要なことに分けて整理してください。資料にある情報だけを使い、提案を決定に変えないでください。確認できない項目は「記録から確認できず」、聞き取れない箇所は「聞き取り不明」としてください。次の作業には根拠となる短い発言を添えてください。
最初は、短い会話一つで試してみてください。表が埋まったかに加えて、各行を元の発言で説明できるかまで見ると、共有前の確認がしやすくなります。
参考:Claude公式ドキュメント(2026年10月17日確認)
出力形式の指定
https://platform.claude.com/docs/en/test-and-evaluate/strengthen-guardrails/increase-consistency
不確かな内容の扱い
https://platform.claude.com/docs/en/test-and-evaluate/strengthen-guardrails/reduce-hallucinations